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日帰りはどうなの?な温泉

A hot spring that’s a little too far for a day trip from Kiyosato, don’t you think?

清里からだと

どうなの

清里からだと、日帰りできないことはないけどちょっと遠いだろ?とか、
さすがにちょっと遠くない?ここは無理でしょ?みたいなお湯のページです。

ここでの評価紹介基準は、源泉での分析表の数字に加え、実際に入ってみての感覚を合わせたものを元としています。
それぞれの施設名をクリックすると泉質などの詳細ページに遷移します。

一般的な温泉ガイドでは泉質名のほか、食事やサウナ、ドライヤーなどで紹介しますが、ここでは湯船のお湯のみでの紹介になります。

コスモス

下條温泉 コスモスの湯(下條村)

お湯に浸かった瞬間、全身がやさしいヌルヌル感に包まれる美肌の湯。
pH9.67という高いアルカリ性らしい、石鹸を使った後のようななめらかな肌触りが特徴です。

 

成分総量は多くありませんが、そのぶんクセが少なく、
熱すぎない湯温も相まってついつい長湯したくなる心地よさがあります。

 

浴後はベタつくことなく、服を着る頃からじんわりポカポカ。
肌のつっぱり感もほとんどなく、毎日でも入りたくなる優しい温泉です。

 

露天からの景色を眺めながら、ゆっくり過ごすのにぴったりの一湯でした。
 

泉質

アルカリ性単純硫黄温泉(低張性アルカリ性低温泉)
 

こんな人におすすめ
 

* 温泉で肌がツルツルになる感覚を楽しみたい人
* 熱いお湯より、ゆっくり長湯が好きな人
* 景色を眺めながらのんびり過ごしたい人
* 日帰りで気軽に温泉を楽しみたい人


◎ちょっと突っ込んだご紹介

アルカリ性単純硫黄温泉(低張性アルカリ性低温泉)
pH9.67、成分総計272mg/kg、泉温28.9℃。

 

数字だけ見ると非常に薄い温泉だが、高いpHによるヌルヌル感がしっかり前面に現れ、
入浴直後から全身が滑らかな膜に包まれるような体感が得られる。

 

湯口では明瞭な硫黄臭や味はほとんど感じないものの、わずかな甘味と渋味があり、
浴槽では時折ふわっと硫黄系の香りが感じられる。
加温されているため源泉そのものの個性は穏やかになっている印象だが、
生きたお湯らしさは十分残っている。

うっすらと見られる白色析出や、ナトリウム・炭酸塩系主体のやわらかな浴感も心地よく、
刺激や重さは少ない。

浴後は塩化物泉のような強烈な保温力ではないものの、時間差でじんわり身体が温まり、
自然なポカポカ感が続く。肌のつっぱり感もほぼなく、アルカリ泉らしいやさしい仕上がり。

 

派手な個性や高濃度成分で勝負するタイプではなく、
「毎日入りたくなる良質なアルカリ泉」という表現がよく似合う一湯だった。

 

温泉好き視点のポイント
 

* pH9.67による明瞭なヌルヌル感
* 成分総計272mg/kgという薄い組成ゆえ、アルカリ感が素直に感じられる
* 加温ありだが、生きたお湯らしい硫黄の気配が時折感じられる
* 長湯向きで浴後は穏やかな温まり感
* 源泉浴槽があれば、さらに魅力が引き出されそうなポテンシャルを感じる

飯田城温泉 三宜亭本館(飯田市)

三宜亭

天竜川が長い時間をかけて削り出した河岸段丘、その最も低い場所に湧くアルカリ性単純温泉。
 

飲泉所で手を浸した瞬間から指先にヌルッとした感触がまとわりつき、
ほのかに硫黄の香りが立ち上る。浴槽に身を沈めると、
石けんをまとったような滑らかな肌触りが全身を包み込み、
美肌の湯らしい心地よさを存分に味わえる。

 

一方で、強いアルカリ泉にありがちな「とろとろ一辺倒」ではなく、
わずかにキュッとした感触もあり、肌にまとわりつくだけではない、
どこか引き締まるような印象も受ける。この絶妙なバランスがこの湯の個性だろう。

 

湯口には白い析出が見られ、源泉には微かな硫黄臭も感じられるため、
単純泉ながら「生きた温泉」を実感できる要素もしっかり備えている。

 

浴後はじんわりと体の芯から温まり、その熱はゆっくりと持続する。
肌のつっぱり感も少なく、しっとりとした感触が続き、気軽に入りやすいのに満足感は高い。

 

派手な個性ではないが、何度でも入りたくなる、毎日のように通いたくなる良湯である。
 

こんな人向け

* ヌルヌルした美肌の湯が好きな人
* 硫黄の香りをほんのり楽しみたい人
* 強すぎる泉質よりも、長くゆっくり浸かれる温泉を探している人
* 温泉らしさと入りやすさを両立した湯に出会いたい人

 

◎ちょっと突っ込んだご紹介

泉質はアルカリ性単純温泉、pH9.75。
溶存物質は332.8mg/kgと数字だけを見ると決して濃厚な温泉ではない。

 

しかし、実際の浴感は数字以上に個性的だ。

飲泉所で源泉に触れた瞬間からはっきりとしたヌルヌル感があり、
さらに微硫化水素臭が立ち上る。浴槽ではアルカリ泉特有の滑らかさが前面に出るものの、
奈良田温泉女帝の湯や下條温泉コスモスの湯のような極端なとろみではなく、
わずかなギシ感が共存する。

 

このギシ感のおかげで、ただ柔らかいだけではない輪郭のある浴感になっており、
「アルカリ泉なのに単調ではない」という面白さがある。

 

湯口付近には白い析出が見られ、微量ながら硫黄成分の存在も感じられるため、
単純泉としては視覚・嗅覚・触覚の情報量が多い。派手な成分量ではないが、
新鮮な源泉らしさを十分に感じられる。

浴後はしっかりとした保温性があり、長湯をすればかなり汗ばむほど温まる一方、
肌の乾燥感は少なく、軽いしっとり感が残る。
美肌系アルカリ泉と温まりの良さが高いレベルで両立している印象だ。

 

南信州には強烈なヌルヌル泉が点在するが、
その中では「ヌルヌル・微硫黄・微ギシ・温まり」が絶妙に調和したバランス型。
数字以上の存在感を持つ、何度も入りたくなる一湯である。


 

こんな人にこそおすすめ

* 奈良田や下條ほど強烈ではない、程よいヌルヌル感を楽しみたい人
* 単純泉でも「生きたお湯」の新鮮さや香り、析出物まで味わいたい人
* 成分表の数字だけでは分からない浴感の違いを楽しむ温泉好き
* 派手さよりも、繰り返し入りたくなる良質な日常湯を探している人


 

個人的には、この湯は「美肌の湯」という一言では少しもったいないと思う。

南信州らしいヌルヌル感をしっかり持ちながら、微かな硫黄臭、白い析出、少しのギシ感、
そして浴後の持続する温まりまで備えていて、
温泉好きが入ると「あ、このお湯はちゃんと生きてるな」と感じられるタイプ。
数字以上に語れる魅力を持った、飯田らしい良泉だと感じる。

女帝

奈良田温泉 女帝の湯(早川町)

奈良田温泉 女帝の湯は、まるでローションのような強烈なヌルヌル感が特徴の温泉。

ぬるめのお湯なので長くゆっくり浸かることができ、

入浴中は穏やかなのに、浴後しばらくしてから体の芯に温かさが広がってくる。

微かな硫黄の香りや独特の味わいもあり、温泉らしさもしっかり感じられる。

派手さはないが、何度も入りたくなる不思議な魅力を持った温泉。

こんな人向け

* ぬる湯で長湯したい人
* 肌触りの良い温泉が好きな人
* のんびり一日過ごしたい人
* 強烈な刺激より心地よさを求める人

◎ちょっと突っ込んだご紹介

奈良田温泉 女帝の湯は、分析表以上の異常とも言えるヌルヌル感を持つ個性派温泉。

アルカリ性のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉だが、

体感は単純なアルカリ泉の域を超えており、肌が吸い付くような滑りが続く。

浴槽温度は37〜38℃台と低めで、長時間の浸湯に向く。微かな硫黄臭や析出物も見られ、

温泉としての表情も豊か。

派手な成分量ではないにもかかわらず、入浴体験そのものが強く記憶に残る、

山梨を代表する名湯のひとつ。

 

 

こんな人向け

* 温泉の肌触りを重視する人
* 源泉個性をじっくり味わいたい人
* ぬる湯文化が好きな人
* 成分表と体感のギャップを楽しめる人

 

奈良田温泉 白根館 七不思議の湯(早川町)

七不思議

奈良田温泉といえば、とろけるようなヌルヌル感が有名だが、七不思議の湯はそこに硫黄の個性がしっかり加わる。

 

浴室に入った瞬間から漂う硫黄の香り。

湯に身を沈めると、お湯というより美容液の中に入ったような強いヌルヌル感に驚かされる。

 

泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉。

 

アルカリ性による肌触りの良さに加え、硫黄成分による温泉らしい風情、さらに塩化物泉らしい高い保温力を兼ね備えている。

 

湯上がり後はしばらく身体の芯から熱が湧き上がるような温まり方で、汗が引かないほど。

それでいて入浴中は気持ち良く、つい長湯してしまう魅力がある。

 

同じ奈良田温泉の女帝の湯が「ゆっくり浸かり続けたい湯」なら、七不思議の湯は「温泉らしさを全身で味わう湯」。

 

奈良田温泉の奥深さを感じられる一湯だ。

 

こんな人向け

 

  • 温泉らしい硫黄の香りが好き

  • 肌がツルツルになる温泉が好き

  • 入浴後のポカポカ感を重視する

  • 草津ほど強くない硫黄泉を楽しみたい

  • 温泉地らしい雰囲気も含めて味わいたい

◎ちょっと突っ込んだご紹介

奈良田温泉といえば強烈なアルカリ性によるヌルヌル浴感が有名だが、七不思議の湯の魅力はそれだけではない。

 

泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉。

pH8.94、総溶存物質4628mg/kg。

 

浴感の主役はアルカリ性による強い肌の滑りだが、

同時に硫化水素イオンを含むため浴室にははっきりとした硫黄臭が漂う。

 

湯を口に含むと塩味がしっかり感じられ、分析表でも塩化物イオン2297mg/kg、

ナトリウムイオン1678mg/kgと塩化物泉として十分な濃さを持つ。

 

興味深いのは、重曹成分が突出して多い訳ではないにもかかわらず、

奈良田特有の強烈なヌルヌル感を示す点。

 

これは炭酸水素塩泉的なヌルヌルというより、

高いpHによる肌表面の石鹸化作用が主体と思われる。

 

体感としては、

 

  • アルカリ泉のヌルヌル

  • 硫黄泉の香りと血行促進感

  • 塩化物泉の保温力

 

この三者が同時に現れる。

 

女帝の湯が柔らかく長湯向きなのに対し、七不思議の湯はより温泉成分の主張が強く、

温泉好きの感覚を直接刺激してくるタイプ。

 

奈良田温泉を単なる「美肌の湯」として片付けられない理由が、この湯にはよく表れている。

 

こんな人向け

 

  • アルカリ泉の強烈なヌルヌル感を求める人

  • 硫黄臭のある温泉が好きな人

  • 成分と体感の一致を楽しみたい人

  • 美肌泉だけでなく温まりも重視する人

  • 女帝の湯との違いを入り比べて楽しみたい人

赤倉温泉 赤倉ホテル(妙高市)

赤倉ホテル

長い廊下を進むにつれて、ふわっと漂ってくるやさしい硫黄の香り。

強すぎない“温泉らしさ”に、自然と気分が高まります。

 

お湯は40℃前後のややぬるめで、ゆっくり浸かれる心地よさ。

見た目には白い湯の花が舞い、温泉らしい風情たっぷりですが、
入ってみると意外にもクセは控えめで、するっと馴染む感触です。

 

入浴中はじんわり体が温まり、湯上がりは軽やかなポカポカ感。

ベタつかず、でも冷えにくい、ちょうどいい温まり方です。

 

成分的には、炭酸や硫酸塩、重曹成分がバランスよく含まれ、
さらに肌を整えるメタケイ酸も豊富。

強い刺激はないのに、ちゃんと温泉に入った満足感が得られるのが魅力です。

 

「派手さはないけど、ずっと気持ちいい」

そんな安心感のある一湯です。

■ こんな人におすすめ
 

• 強すぎる温泉がちょっと苦手な人

• ゆっくり長湯してリラックスしたい人

• 硫黄の香りは楽しみたいけど、キツいのは避けたい人

• 入浴後にだるくなりにくい、軽い温まり方が好きな人


 

◎ちょっと突っ込んだご紹介

北地獄谷源泉の配湯を使用した含硫黄泉。

泉質はナトリウム・カルシウム・マグネシウムを主体に、
硫酸塩と炭酸水素塩が同居する“拮抗型”の構成。

 

浴槽では白色の細かい析出(おそらく炭酸カルシウム+硫黄系微粒子)が豊富に漂い、
壁面や湯口周りにはヌメリを伴う付着物が見られる。

一方で浴感は意外にもヌルつきは弱く、むしろ軽いギシギシ感が主体。

 

これは

• Ca・Mgによる硬水的な触感

• 硫酸塩の収斂作用

が前面に出て、炭酸水素塩のヌル感を打ち消しているため。

 

つまりこの湯は

「ヌル要素(重曹)とギシ要素(硬水+硫酸)の拮抗型」

 

さらに遊離CO₂(約119mg/kg)は含有するものの、

配湯+一旦貯留+壁伝い投入という構造によりガスは減衰。

 

そのため

• 湯口付近でわずかな泡付き

• 離れると消失

 

という“炭酸弱体化型の挙動”を示す。

 

結果として体感は

• 炭酸による穏やかな血流促進

• 硫酸塩による軽い引き締め

• 塩化物が弱いため皮膜感は薄い

 

「血流型で軽やかに温まる湯」

 

浴後はポカポカ感はあるが持続的な重さはなく、疲労感も出にくい。

またメタケイ酸(236mg/kg)が比較的多く、
収斂寄りの中でも肌のつっぱりを緩和している印象。

 

香りも硫化水素は感じるが穏やかで、

 “硫黄泉としてはかなりマイルドな部類”

 

 

■ この湯の本質

 

見た目は重曹・炭酸系、体感は硬水・硫酸系に寄る二面性の湯

 

■ こんな人におすすめ

• 成分の“せめぎ合い”を体感したい温泉好き

• 炭酸泉が好きだが、強すぎる泡や刺激は苦手な人

• 硫黄泉に入りたいが、マイルドなものを求める人

• 長湯しても疲れにくい湯を探している人

• 「派手さよりバランス」を評価するタイプ

くしびき温泉ゆ~Town(鶴岡市)

くしびき

― 赤茶色の見た目に惑わされるけれど、実は「温まりのいい塩化物泉」 ―
 

浴槽を見ると、まず目に入るのが赤茶色の析出物。湯口も赤茶色に染まり、
浴槽全体に長年の積み重ねが感じられる。

そのため「鉄の温泉」という印象がかなり強いんだけど、
実際に入ってみると、源泉そのものは濁りも匂いもほとんどなく、味もほぼ感じない。


お湯に浸かると、最初は肌に軽いギシギシ感があるものの、
しばらくすると滑らかな感触に変わる。
浴後はしっかり温まり、時間が経ってもポカポカ感が続く一方、
嫌なベタつきは少なく、比較的さっぱりした浴後感。

 

この温まりの良さを支えているのが、ナトリウムと塩化物をしっかり含んだ成分構成。
さらに硫酸塩も多く、総溶存物質は約5.2g/kg。
見た目の派手さだけではなく、実際に「ちゃんと温まる」力を持ったお湯なんだね。

 

一方で、メタケイ酸も48mg/kg含まれており、浴後の肌のつっぱり感が強くないのも納得。
 

そして面白いのが、あれほど赤茶色なのに、鉄の量そのものは見た目から想像するほど多くないこと。

長年、源泉に含まれる鉄分が空気に触れて酸化し、析出物として浴槽に蓄積してきたことで、
現在の印象的な赤茶色が作られているってことらしい。

「鉄の温泉」という先入観をいったん忘れて入ってみると、
実は温まりの良さとさっぱりした浴後感が魅力の、なかなか実力派のお湯。

見た目のインパクトに負けない、日常使いにも向いた温泉。


こんな人におすすめ

  • しっかり温まる温泉が好きな人

  • 塩化物泉らしい浴後のポカポカ感が好きな人

  • ベタベタしすぎない浴後感が好みの人

  • 個性的な析出物や温泉らしい浴槽を楽しみたい人

  • 「見た目」と「実際のお湯」の違いを楽しみたい人

​​
 

◎ちょっと突っ込んだご紹介

 

― 赤茶色の正体は「濃厚な鉄泉」ではない。主役はナトリウム系の塩類泉 ―

源泉温度57.0℃、pH7.7、溶存物質5,230mg/kg。

主成分はナトリウム4,664mg/kg、塩化物イオン2,906mg/kg、硫酸イオン1,482mg/kgで、

分類としてはナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉と見るのが実態に近いお湯。

浴槽に入ると、まず目につくのは強烈な赤茶色の析出。

湯口から注がれる源泉自体は透明で、鉄臭さもほとんどなく、味にも鉄らしい強い印象はない。
それなのに浴槽や湯口周辺は赤茶色に染まり、
いかにも「ものすごい鉄泉」という雰囲気を醸し出している。

 

ところが分析値を見ると、Fe²⁺0.9mg/kg、Fe³⁺2.3mg/kg、合計約3.2mg/kg。

見た目のインパクトに対して、鉄の濃度は意外なほど控えめなのに驚く。
 

これは、源泉に含まれる鉄が空気に触れて酸化し、
長い年月をかけて浴槽に析出・蓄積してきたためなんだろうと思われる。
つまり、あの赤茶色は「今この瞬間に大量の鉄が溶けている」ことよりも、
この湯が長年鉄を運んできた履歴を示すものと考えたほうが面白い。

 

実際、1階の浴槽は赤茶色の析出が目立つ一方、
鉄を除去した湯を使う2階の浴槽にはその特徴がほとんどない。

ただし、鉄を抜いて考えても、この温泉は十分に面白い。
 

Na 4.7g/L、Cl 2.9g/Lに加えてSO₄²⁻も1.5g/L近くあり、塩類成分はしっかり濃い。
入浴時の軽いギシギシ感から、やがて滑らかな感触へ変化し、浴後には明確な温まりが残った。

 

この持続的なポカポカ感は、

硫化水素よりもナトリウム・塩化物を主体とする塩類泉としての保温感で説明するほうが自然かも。

遊離硫化水素は分析表からも確認できず、硫黄系の匂いもほぼない。

また、HCO₃⁻228mg/kg、pH7.7という穏やかなアルカリ性に加え、
メタケイ酸48mg/kg。強烈なヌルヌル系ではないものの、入浴中に滑らかさが出て、
浴後の顔のつっぱり感も比較的少ないという体感には、このあたりも関係していそう。

 

つまり、この温泉を分析表から読み解くと、

「赤茶色の鉄泉」ではなく、鉄の析出が強烈な個性を与えている、
しっかりしたナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉。

という姿が見えてくるね。
 

見た目に強烈な個性がある一方、実際の入浴感は意外と素直。
しっかり温まり、ベタつきは強くなく、肌当たりも徐々に滑らかになる。

鉄の存在感に目を奪われがちですが、鉄を抜いて評価しても十分に「いい湯」。
 

むしろ、分析表を見た後にもう一度浴槽を見ると、赤茶色の析出物が「鉄泉だから赤い」のではなく、
この湯が長い時間をかけて作ってきた温泉の履歴そのものに見えてくるのが面白いところかと。

こんな人におすすめ

  • ナトリウム・塩化物系の「温まりのいい湯」が好きな人

  • 分析表と実際の体感を照らし合わせて楽しみたい人

  • 鉄の析出物など、温泉の「履歴」が見える湯が好きな人

  • 濃い塩類泉でも、強いベタつきや強烈な個性までは求めない人

  • 「見た目ほど鉄泉ではない」という意外性も含めて楽しめる温泉マニア

ルートイン秋田

ルートイングランディア秋田 華のゆ(秋田市)

秋田市街に隠れた、個性派の温泉


ルートイングランティア秋田に併設された「華のゆ」は、
ぱっと見れば上品なスーパー銭湯のような温浴施設。
ホテルの宿泊客はもちろん、一般の人も利用でき、子供連れから仕事帰りの人まで気軽に訪れる。

 

ところが、その湯をよく観察してみると、なかなか侮れない。
 

泉温は33℃ほどの源泉を加温して使用しているが、成分総量は約18g/kg。
ナトリウム約6,400mg、塩化物約9,700mgを含む、しっかりとした強塩泉。
実際に口にするとかなりしょっぱく、入浴後には塩化物泉らしい心地よいポカポカ感が続く。

 

さらにメタケイ酸も116mg/kgほど含まれている。
入浴中に感じる軽いヌルヌル感や、翌朝に肌が驚くほどすべすべしていた感覚も、
この成分を知ると納得。

 

そして面白いのが、その色。
浴槽のお湯はコーラのような褐色で、最初はモール系の温泉かと思ったほど。
しかし分析表を見ると、実は「含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉」。
よう化物イオンも31mg/kgほど含まれている。

 

湯口では細かな泡がびっしりと生じ、なかなか消えずに漂う。
その中でピチピチと微細な泡が弾ける様子も見られ、薄いベージュ色の析出物もある。
循環・加温・消毒という管理のもとでも、源泉の個性がしっかり残っているのが分かる。

 

つまりここは、いわゆる「温泉マニアがわざわざ探しに行く秘湯」ではない。
ホテルに泊まった人が、何気なく入りに行く大浴場だ。

そして、市中の人が普段使いで入りにくるスーパー銭湯だ。
 

でも、その何気ない大浴場に、強い塩味を持ち、褐色に色づき、ヨウ素を含み、
メタケイ酸も豊富な、かなり個性的な源泉が使われている。

 

知らずに入っても気持ちいい。
知ってから入ると、もっと面白い。

そして、しっかりと管理されてしまってるお湯なのにこの個性が残ることにびっくりだ。

 

こんな人向け:


・塩化物泉の温まり方が好きな人
・濃い温泉を気軽に楽しみたい人
・モール系のような褐色のお湯が好きな人
・温泉の「見た目・味・肌触り」を観察するのが好きな人
・ホテルの大浴場だからと侮らず、ちょっと変わった温泉に出会いたい人

​​
 

◎ちょっと突っ込んだご紹介

 

循環されてもなお個性が消えない、含よう素強塩泉


「ホテル併設の温浴施設だから、まあ普通の温泉だろう」

正直、そんなつもりで入ったんだよね。
 

ところが湯に浸かってみると、妙に面白い。
湯口から落ちたお湯には、粘度があるようにも見える細かな泡がなかなか消えない。

その中で微細な泡がピチピチと弾けている。

浴槽の湯はコーラ色。入浴中には軽いヌルヌル感があり、時間が経つと少しギシギシした感触も出てくる。
そして湯上がりは、塩化物泉らしい気持ちのいいポカポカ感。

 

翌朝、もう一度入ってから分析表を見てみた。

これがなかなか凄かった。
 

泉質は含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉。
成分総量は18g/kgを超え、ナトリウム6,414mg/kg、塩化物9,673mg/kg。
そりゃ、あれだけしょっぱいわけだよね。

 

しかもメタケイ酸は116.8mg/kg。入浴後に顔がつっぱる感じがほとんどなく、
翌朝には肌が妙にすべすべしていたのも、この湯の成分を知ると面白い。

 

そして何より意外だったのが「ヨウ素」。
 

浴槽の色を見て、最初はモール系の温泉だと思った。
ところが実際には、よう化物イオンが31.1mg/kgも含まれている。
褐色の見た目のすべてをヨウ素だけで説明できるわけではないにしても、
少なくともこの湯が単なる「茶色い温泉」ではないことは確かだと思った。

 

しかも、これだけ個性のある源泉を、現在は加温し、循環濾過し、消毒して利用している。
それでも色、塩味、肌触り、湯上がり感、そして湯口で見られる独特の泡まで、
源泉の存在感がしっかり残っている。

 

ここが、この温泉の一番面白いところだと思う。
 

温泉好きが山奥まで探しに行くような湯ではない。
秋田市街のホテルに泊まり、子供を連れて入りに来たり、仕事で泊まったついでに入ったり、
スーパー銭湯感覚で利用したりする人たちに囲まれている。

 

でも、その浴槽の中身を分析表まで含めて見てみると、かなり個性の強い温泉なんだよ。
 

まるで、超一流のスターがオフの日にスーパーで買い物してるのに、誰も気づいていないようなもの。
 

華のゆは、そんな「気軽に入れるのに、実はかなり凄い温泉」だった。
 

こんな人向け:
・泉質そのものをじっくり味わいたい温泉好き
・強塩泉や含よう素泉に興味がある人
・褐色の温泉を「モール系かな?」で終わらせず、その正体まで知りたい人
・循環・消毒でも源泉の個性がどこまで残るのか気になる人
・「ホテルの大浴場なんて……」と少し舐めている温泉好き(笑)

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